玄関のドアを開けて、ぶつかるようにした、キス。 あらたのシャツのボタンを、乱暴に外した。 されるがままになっているあらたは、声すら発しない。 どうにかなってしまえばいい。 余計なことは、考えなくて済むように。 だから、ねぇ…、 「あらた。抱いて。無茶苦茶に、して…!」 口から出た声は、叫びになっていて。 そんなあたしを、見下ろすあらた。 どうしてそんな目をするの…。 そんなに、哀しそうな…。 .