パトカーに乗せられた背中を見送ったら、心からほっとして。

もっと早く、選択していればよかった。

もっと早く、自分を大事にしてあげれば良かった。

でも、今からでもきっと、遅いなんてことはないはずで。

私は私で、大丈夫。

きっと、大丈夫。

「じゃあ、オレたちも行きますか」

隣の律さんが、私に促した。

私も、警察に話をしに行くことになっている。

「あ、でも、大丈夫です。ひとりで」

「なに言ってるんですか、こんな状態のあなたを、ひとりで行かせられるわけないでしょう。最後まで、付き合います」

私に穏やかに告げて、歩き出した律さん。