あれから、たまに私の働くドラッグストアに買い物に来てくれるようになった、林檎のひと。

あの日、あたたかな林檎の紅茶を飲みながら、ぽつりぽつりとお喋りをした。

偶然の出会いは、優しい時間をくれた。

こんなに穏やかな気持ちで、誰かと時間を過ごせるなんて。

年上の男のひとと、こんなにフランクに話せるのは、彼の人柄もあるのだろう。

同じ男のひとでも、年上でも。

こんなにも違うんだ。

「みんな俺みたいに思っている。そんなの当たり前だろ」

言われ続けて、軋んだ心が軽くなるのがわかる。