ゆっくり、目を開けると、

「…あ、起きた?」

私が眠る、ベッドに腰掛けて、律さんが優しく私の髪に触れていた。

「オレ、あなたの髪がすごい好きで。細くて柔らかくて、ずっと触ってられる」

くすり。笑って、

「他のヤツには、絶対触られないように」

ちゆ。リップノイズつきのキスを髪の毛に、落とす。

''絶対触らせないでね''、と言わないところが、律さんらしい。

素直にそのままを伝えたら、

「あなたは、ほんっとに。甘いなー」

こんな甘い香りさせてたら、向こうから寄ってくるに決まっているでしょう。

あなた、だめんずホイホイ、だしね?

だから、男除けに。

もう一度、

そのキスは、くちびるに。