すべてが解決した後、大倉先生は稲荷を刺した傷害罪で逮捕された。


そしてあの時刺された稲荷は……「じゃ、最後にもう一度学校へ行って、みんなの様子を確認しておきましょうか!」今日も元気だ。


あの時死んでしまったかと思って焦ったが、神様の使いがそれほど弱いわけがない。


ちょっと貧血っぽくなって眠ってしまっただけだった。


事件が解決してまだ10時間ほどしかたっていないのに、傷口はすでに塞がっていた。


便利だなぁと思って稲荷の腕を見ていると「そんなにジロジロ、見ないでください」と、頬を赤くしていた。


そんなことで意識されるとなんだかこっちも照れくさくなって、学校まで無言で歩いていくことになってしまった。


「よぉ良介! おっはよー!」


茂みから校門を確認すると英也がこっちの世界の良介に声をかけている。


良介は一瞬ビクリと体を硬くしていたが、すぐに安心したように笑顔を見せた。


続いて大輝が登校してきて3人して校門を潜り抜けていく。


「みんなの目の色が戻ってる」


良介は呟いて、稲荷はうなづく。


「これでなにもかも元通りです」