4月に入って学校が始まるのとほぼ同時期に一緒に暮らすようになった
家に基本的に親がいないらしく、日曜日の夜に家を出ていって、金曜の夜に帰って来るらしい

初めてあった日は確か金曜日だった

ガリガリの細い体を見て、多分一人でいる間ろくなご飯を食べてないのでは、と思って半分冗談混じりに「うちで暮らす?」といえば、少し迷って「はい」という返事が帰ってきた

毎日暮らして行く中で、陽菜の行動や仕草、考え方にどこかリリーに似たものを感じた
しっかり自分というものがあって、正義感や感情がそれなりにあって、でもリリーとは違うどこか諦めた、あの哀愁漂う顔はリリーはしたことが無い
その顔を初めて見た時、心臓を鷲掴みにされて握り潰されたのかと思うくらい、痛かった