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【人間界】



「氷輪、今日も来ないのかしら?」

「あんな馬鹿狐、来ない方が静かでいい」


氷輪と仲良くなった白蘭はその後も度々遊びに来る彼を可愛がった。


氷輪はいつも素直で明るく元気だった。よく紅蓮とは喧嘩をしたが家の中が今まで以上に明るくなり白蘭は喜んだ。


しかしある日を境にぱったりと氷輪は来なくなった。


「どこか別の遊び場でも見つけたのかしら?」

「さあな。馬鹿だから道にでも迷ったんじゃないか?」

「ちょっと紅蓮?馬鹿馬鹿言わないの!仲良くして」

「…それよりも最近、街で王都の衛兵が騒いでいるから気を付けるんだぞ?」

「ええ…そうね」


そうだ。王都の衛兵はあれから龍先生を執拗に探している。

衛兵の数は減るどころか増える一方だ。