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『先輩。俺に惚れてください。』その5【お見合い望郷編】

【お見合い望郷編】」
『普段着のわたしでいこう!』

 お見合いという最重要任務が完了し、浜松へ帰ってきた目的が果たされたわたしは、実家に戻り、振袖から解放された途端に気の抜けた風船のように脱力した。

 ふう。ちょっと疲れた。

 東京に出るまで暮らしていた自分の部屋。母がいつも手入れしてくれているおかげでホコリひとつない部屋のベッドに、慣れない着物を脱いだ下着姿のまま寝転がる。

 パリッと清潔な肌触りのシーツ。何だか眠くなってきた。考えてみれば、この二十四時間ほどろくに寝ていないから眠くなるのは当たり前だよ。

 


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