「んあー?曲がってないんじゃん?」



私には、関係ない。


フワリくんに関係していることが、私にはなにもない。


旗係の人じゃなくて、あずりん先輩にわざわざ曲がっているかを聞くことも、


名前を呼んだことも、一緒に帰っていたことも、コーヒー牛乳がないことも。


それだけで私の胸が、こんなに痛いことも。


そんなのフワリくんからしてみれば、


関係、ない……



「曲がってんだろ。アホ」

「はぁ!?んじゃあ聞くんじゃねぇよ」



アホって言えるのは、仲がいいから。


もゆぴーと聡美に聞いたときはついてなかった言葉がプラスされるのは、フワリくんの中に、あずりん先輩がちゃんといるから。


存在、しているから……



大量のプリントを、ホッチキスで留めていく。


パチンパチンて音は、旗係の賑やかな声に消えていく。



フワリくんがいる。


すぐ傍に。



だけどこの日、どれだけフワリくんの方をじっと見ても、


1度も目が合うことは、なかった……