正門で、電車通のヨッコと分かれた。
泣き顔で歩いた帰りの道は、夕陽が沈み終わった直後。
滲んだ瞳に映る景色がオレンジの終わりを告げていて、余計に切なくなってくる。
サワサワと吹く風が、春の終わりと初夏の始まりを教えてくれる。
道に転がる小石を一蹴り。
フワリくん。
フワリくん……
フワリくんの、彼女……?
髪の毛の短い、女の人。
フワリくんの……
「、…」
もう家に帰るだけだから、涙が零れる瞼をゴシゴシ擦った。
擦って拭き取ったはずの涙が、次から次へと溢れてくる。
好きが溢れたんだ……
気持ちを抑え切れないくらい、フワリくんのことが好きなんだ……
今までの恋とは違う。
だってこんなに泣けなかった。
こんなに胸は苦しくなかった。
もっともっと、楽しかった……
フワリくんへの好きが、溢れた。