翌日、私は向日葵をカバンに入れて学校へ向かった。


昨日の事を思い出すと、また一気に赤面する。


向日葵が、まさかあんな行動をとるとは思わなかった。


『彼氏彼女』


としてのゲームが、もう始まっているという事を実感させられた。


「おはよぉ」


いつも通り教室へ入ると、急に教室内はシン……と、静かになった。


「泉っ!」


1人首をかしげる私へ、桃子がかけよる。


そして……黒板を指差した。


え……?


そこには大きく『バーチャル彼氏とラブラブ』という文字。


その下にはへたくそなイラストが描かれている。


イラストの横には相合傘のマークで、『泉』『向日葵』の文字までが――。


私は、一気に血の気が引いていく。


向日葵の入っているカバンを、ギュッと強く握り締める。