「――なので、告白した、くて…」




「よく勇気出したね、えらいね桃子」





放課後誰もいなくなった教室で友人の汐桜に柊璃くんとのことを話して、背中を押してもらおうと考えた私。






誰かに言えばもう後戻り出来なくなる。弱虫で意気地無しな私にピッタリな案。






今まさに、後戻り出来なくなったところだ。






「それでそれで?シュリ君にはなんて言うか決まってるの?告白なんて、桃子初めてでしょ?」




「好きですだけじゃ伝わらないかな…?」




「いいんじゃない?シンプルかつストレート!桃子にはそういうのがいいかもね。
…ふふ、桃子とこういう話できるの楽しい〜、その人のどこが好きなの?知りたい!」




「走ってるところが好き。それで、走り終わって記録が良かった時の笑顔も好き。
柊璃くんだけ私のこと「桃子さん」って呼ぶのも、ときどき敬語が抜けちゃうのも。

柊璃くんといるだけで幸せがもらえるの
多分、ぜんぶ好き」





私の話に相槌を打ちながらにこにこしている汐桜。





ちょっと言い過ぎちゃったかも…恥ずかしい。











「…全部、だってよ?シュリ君」







??






シュリクン?








「桃子さん」