パーティーが終わって数日後ーーーーー


それはいつもの朝…のはず。


「あれ?緋奈星さま
 今日も1人で起床なさったんですね」

「え、えぇ…まぁ…」

《《あんな事》》をされ掛けたのに
燈冴くんに起こしてもらう毎朝のルーティンなんて、平常心じゃ無理だって。

彼が起こしに来る前に目覚まし時計をセットし
良いのか悪いのか
ここ数日、飛び起きるように目を覚ましている。


「お1人で起床されてしまうと
 私の楽しみが1つ減ってしまいます」

「ッ!?」

朝食を運びながらニコニコして言うものだから
思わずパンを喉に詰まらせかけた。

「は、早く準備しないと仕事遅れるからッ」

誤魔化して気まずさから逃げるように部屋へ戻ってみたものの、朝から心臓の音がうるさいくらいドキドキしていて『ふぅー…落ち着けぇ』って何度も深呼吸。

「はぁ…」

普通にしてなきゃいけないのに
パーティーのときの出来事を思い出して
変に意識しちゃう。
顔を合わせづらいんだよなぁ……ーーー


そんなことを思っても
一緒の時間が長いのも事実。


会社には燈冴くんの運転で父と3人で出社。