白矢が日和との再会を楽しんでいる中、苦痛の声をあげている3人の女の子たちがいた。






「美華〜」





机に寝そべりながら紬に声をかけると美華と。






「紬何〜?」






口と鼻の間にペンを挟んで現実逃避している紬。






「ここ分かんない」






「あたしも分かんないよ。凛は?」






凛は飽きて椅子から立ち、窓側に移動した。






「さっぱり。こんな時、日和がいてくれたらな...」





美華たちは秋晴れの空を見上げながら転校した日和のことを思い出していた。






ガラッ!






「川口、春夏冬、原田!お前らまだやっているのか!?」






「先生これ難しいよ」







3人に補習するように命じた先生が様子を見に来た。






プリントをペラペラとしながら凛は先生に抗議した。





「あのな、これは中間テストと同じ問題なんだぞ?教科書見れば大体の分かる」






そんなことを言われても分からないものはわからないと思う3人。







「それで分かったら苦労しないよ。見てくださいよあの紬の顔。目が死んでますよ?」






「春夏冬。お前な...」






「数字や英語がいっぱいで分かりません」






「ったく。今日中には終わらせろよ?終わったら職員室の先生の机に置いておけ。じゃーな」






「教えてくれないんですか?!」





「川口甘えるな。優しい中原じゃないんだ。諦めろ」






そう言って先生は教室を出ていった。





「ありえない。あれでも教師?」






「紬、次は顔が怖くなっているよ。あーあ。日和がいれば優しい言葉をかけてくれるんだけどな」






「凛は相変わらず日和大好きだね。まぁ、確かに日和がいればこんなの昼には終わるのにね」







美華たちは同時にため息をついた。






日和がいない寂しさが思い出す度に心から落ち込む。それだけ4人は仲が良かったのだ。