「こんなときに誰に呼び出されるの!? だめだよ! 教室で待機って言われたじゃん!」

「へーきだって」

「ええ……そんな緊急に会って話さなきゃいけないことなの?」



答えてくれない。



「……。あ、やっぱるなこも来る?」

「っえ!?」



にやり。なにか企たくらんでそうな顔。



「いーよー。るなこ強情そうだし? それに……」



……それに?



 ――ジリリリリリリリ!!と鳴りやまない警報音の中、


「京町怜悧に、会いたいんでしょ」と


黒土くんは確かにそう言った。


怜悧くんに会いたい。

そりゃあ……会いたいよ、そのために来たんだもん。

でもなんで、ここでいきなり怜悧くんの名前が出てくるのかさっぱりわからない。



それでも私は黒土くんについていくことにした。