僕の名前は月島律。突然だが僕には好きな人がいる。

名前は日高すずちゃん。僕の同級生で、隣のクラスの女の子。

艶のあるストレートな黒髪に、陶器のような白い肌。長い睫毛に縁取られた目はくりくりで、女の子らしい華奢な身体。程よく筋肉のついたすらっとした長い手足。きっとその制服に隠れたくびれは簡単に掴めるほど細いに違いない。

さらに彼女は成績も良くて、もちろん性格に難もない。そして運動神経も良い。

誰から見ても善人だと思うであろうすずちゃんは、学級委員長に選ばれるくらいに人望もある子だった。

聡明で友人や先生にも頼られている場面もよく目撃するし、困っている人を見たら助けずにはいられない性分。

そんな日高すずちゃんを産んだご両親を、僕は人生で最も尊敬している。


(あ、すずちゃんの声がする)


今も少し遠くで、すずちゃんが友達と廊下で談笑している声が耳に入ってきた。

小柄の割には凛として大人びた顔をしている彼女だが、笑う時は鈴を転がしたかのように笑う。

このギャップに何度心臓を撃ち抜かれては生還しただろうか。

相変わらず今日も天使。女神。どんな言葉でも言い表せないほどに尊い存在。常時スポットライトを浴びているかのように、すずちゃんはいつ見掛けても神々しく見えるのだ。


(仰げば尊死・・・)


あぁ、昨日よりも今日の方が好き。

日々、この恋心は進化中である。