「待てって言ってるだろうが。ダイフ――」



ぎゃあああ!?!?



――――ガタンッ



「……なに、今の子」

「わかんない」



すごい血相で追いかけてくるアイツが乗り込んでくる前に、エレベーターの扉がしまる。



た……助かった……?



危機一髪!



なんて――――ホッとしたのも束の間。



「なに逃げてんだよ」

「…………」



先回りしたアイツが、エレベーターの扉の前で待ち伏せ。



「なっ……どうやって……」

「階段使ったに決まってンだろ」

「ち……ちかよらないで」

「あン!?」



目が血走ってて怖い。

息がきれてゼェゼェいってて怖い。



「へ、へんた……い」

「なんだと」

「ついてこないで」



猛ダッシュでビルから出る。