■ 第7章 幼女薬師、水の精霊とお友達になる

■ 第1話

 アルマ薬店で店番をしていると、時々薬を買いに来たついでに差し入れをくれる人がいる。

「あらまあ、立派なお魚だこと!」

 今さっき、虫除けのお薬を買いに来た男性が置いていった箱を開けたカミラさんが歓声を上げる。箱の中身を見ると、体長十五センチ程の川魚が十匹以上入っていた。

「傷まないように、保冷庫にいれておこうね。エリー、団長さんの分とふたり分を分けてあげるから、帰りに持って帰りなさい」
「うん、ありがとう」

 私はぺこりと頭を下げてお礼を言う。

「最近、お魚が高いから助かります」
「ああ、確かにそうだね。大雨が続いていたから、川に魚釣りにいけなかった影響かねぇ」

 カミラさんは答えながらも、魚が入った箱を保冷庫に入れてしっかりと蓋をする。