■ 第2話


「それで、これがエリー特製の傷の手当てグッズなのかい?」

 カミラさんは不思議そうな顔をして私が手渡した物をまじまじと見つめる。
 イラリオさんから色々と話を聞き、騎士団の傷の手当てグッズはみっつの条件を満たす必要があることがわかった。

 ひとつ目は使用方法が簡単で傷口にすぐ使えること、ふたつ目は怪我をした腕などを動かしてもずれないこと、そしてみっつ目は持ち歩きが楽であることだ。これらの条件を満たせる傷の手当てグッズを作るために何回も試行錯誤をして、ようやくそれっぽい物を作ることに成功した。

 今日は、アルマ薬店の店主であるカミラさんにお店で扱うのに相応しいものであるかチェックしてもらっているのだ。

「不思議な形をしているねえ。固定用テープに直接ガーゼを貼るなんて面白いアイデアだよ」

 カミラさんは私が差し出した、その名も『エリー特製絆創膏』を見て感心したように呟く。
 色々と考えた結果、私は太めの医療用のテープに直接、傷用の軟膏を塗り込んだガーゼを貼り付けることにした。そうすればすぐに貼り付けられるし、動いたせいでずれることもないからだ。

「何人かに使ってもらって、使い勝手もよかったらしいね?」
「うん」