純白。


「山野、判断遅い!」


「はい!」


「真崎、周り見て!」


「はい!」


冬休みは、大晦日と三が日を除いて部活の日々。


外は雪が降っているというのに、体育館は熱気に包まれている。



「明日からまた学校だねー」


部活終わりに着替えていると、爽が憂鬱そうに呟いた。


「もう3学期か。……って、ヤバ!宿題やってない!」


「え、それはヤバいどころじゃないよ」


「冬休みいろいろあって、数学だけ終わらせられなかったんだよ」


「そういや真崎先生の奥さんが越してきたんだっけ」


そう。

ゆかなさんが真崎姓になって、ようやく一緒に暮らすことになった。


兄たちは新しく家を持つのではなく真崎家で暮らすことを選んだので、ゆかなさんが家に引っ越してきた。


そのための引っ越し準備と大掃除でバタバタしていたら、数学の宿題だけ終わらせられなかった。