ほんとにここは織くんの家で。
そして愛菜さんは織くんのお母さんなんだ。


あれから、3人で夕飯を食べてお風呂に入って、ホッと部屋で心を落ち着かせる。


私の隣で織くんが同じものを食していることが信じられなかったけど。


愛菜さんと会話をしている織くんを見て現実なんだと実感していった。


織くんが隣に座るということに最初は動揺したけれど、逆に真正面じゃなくてよかったと今になって思う。


絶対食事に集中できなかったよ。


可愛いなんて言われちゃったし。
社交辞令に決まってるけど。


織くんのあの顔で社交辞令は辞めたほうがいい。嘘だとわかってても嬉しくなってしまうから。


まだ夢見み心地だ。


私の部屋のすぐ隣が織くんの部屋だなんて。


こんな状況、学校のみんなに知られたら大騒ぎになってしまう。


めぐちゃんたちにも話せるわけない。


3ヶ月、無事に終えられるのかな。私。


コンコンッ


「はいっ」


てっきり愛菜さんかと思って元気よく返事をしたのに、


ドアを開けたのはお風呂上がりの織くんで。息を飲んだ。


待ってくれ。
心の準備が。