『バロアの焔と惑星の鐘、象の塔』を理解する為の5つのキーワード

◎遺伝子ランクとゲノミクス

この世界では、ゲノミクス(ゲノム科学)が見事に解明され、高度な進化を遂げています。それは、医学やバイオテクノロジーの飛躍的な発展に貢献しましたが、同時に遺伝子レベルによる選民主義(遺伝子ランク)を生み出す事となってしまいました。
遺伝子ランクとは、全国民の遺伝子解析を行い、それをA型・B型・C型・D型にランク付けしてしまう事です。尚、遺伝子ランクには、上記の4ランク以外に特別優性遺伝子と呼ばれるS型・SS型、特殊遺伝子と呼ばれるF型が存在します。
しかし、人類が抱える様々な問題解決の為、世界は更なるゲノミクス(ゲノム科学)の研究に余念の無い日々です。


◎ロンブローゾと生来性犯人

チェーザレ・ロンブローゾは、イタリアの精神科医で犯罪人類学の創始者と呼ばれる人物です。
彼は骨相学、観相学、人類学、遺伝学、統計学、社会学などの手法を動員し、人間の身体的・精神的特徴と犯罪との相関性を検証した結果、ついに「犯罪者には一定の身体的・精神的特徴が認められる」との調査結果を発表します。これこそが「生来性犯人説」であり、後にF型遺伝子発見により、その研究は再評価される事となりました。