〜side 澄〜



「あの‥‥‥、私、小田巻くんに告白したいことがあります。」

「‥‥‥何だ。」


秋月__、すみれちゃんは『茜』と呼ぶ少女が歪んだ笑顔を見せる。


その『告白』の内容はなんとなく分かっていた。



「あなたが奪った写真、あれは私が撮ったものなのですよ?よく撮れているでしょう?」


「奪ったとは人聞きの悪い。すみれちゃんを傷つけないためだ。」


「でも、あれ見せたのでしょう?すみれさんの顔色、悪かったときがありました。」


「警戒心を持ってもらうためだ。」







あの写真とは、すみれちゃんに一度見せた盗撮写真。



たまたますみれちゃんの机の上にそれがあるのを見て、奪ったもの。


ホントはあんな気色悪い写真、すみれちゃんに見せたくなんてなかった。



でも、警戒感を抱いてもらわなくては困る。


あんな写真を撮るなんて、すみれちゃんに執着心をもっているに違いないから。




「それにしても、つまらない反応ですね。もっと驚いてくれてもいいのですよ?」


「いや、すみれちゃんの家を知っていて、かつ写真を撮っても疑われないのなんてお前かもう一人のすみれちゃんの友達ぐらいだ。
 そのもう一人はそんな器用そうではないからな。」


「あら?とっくにばれていましたか。残念です。
 ついでに聞いておきたいことがあるのですが、すみれさんにこの盗撮の犯人、私じゃなくてご自身が犯人だとおっしゃったのですか?」


「‥‥‥何故それを。」


「考えれば分かります。すみれさんは実行犯の私よりあなたに怖がっていましたし。」


「‥‥‥。」


「まあ、今までのはどうでもいい世間話です。本題に入りましょう。」


「ああ。」




俺もそれを待っていた。


俺も秋月のことは目をつけていたがそれだけで、

証拠がなかったから確証が持てなかった。


だが、今犯人が自分から名乗り出た。


ということは、何かの行動に出る、ということだ。