男を知らない体を開いていく。

 初めての行為は負担だろうと分かっているのに、止められない。


 出来る限り優しく扱おうとはしてみるけど、うまくいかない。


 手に入らないと思っていた女。

 一度は諦めたはずの女。


 その女が俺の腕の中にいる。

 その喜びは言葉では表しきれないもので、想いと欲求が止められない。


 思えば、男達に襲われているところを見つけたときから分かっていたのかもしれない。

 二年前に芽生えた想い。

 封じたはずのその思いの欠片を、美桜を見た瞬間感じたんだ。


 そして助けた女が美玲の姪だと分かった時点で、封じていた想いが花開くように解放された。

 どうしても彼女が欲しい。

 この街の本質に巻き込みかねないのが分かっていながら、止められなかった。


 もう、離しはしない。

 でも、巻き込みたくもない。


 そんな葛藤を内に秘めながらも、今は求めた女――美桜の体温に溺れた。