「オマエの洗脳、俺が解いてやるから」
学校一のドS王子が
「ほら。俺ん家に行くぞ!」
私だけに、悪っぽく微笑んだ。
「……うん」
心を許してしまったのは
夕日色に染まる彼の瞳が
あまりにも綺麗で、優しくて
私の心が、奪われてしまったからだと思う。
こんな簡単に
恋に落ちるなんて思わなかった。
片思いが、こんな苦しいものだと思わなかった。
絶対に、好きになっちゃダメな人。
だってだって
彼の心の中には、別の女の子しかいない。
私の入り込む恋の隙間なんて、
1ミリもない。
でも……
一度生まれてしまった、恋の炎は
消し去ることなんて、できないんだね。