だいたい、夜中起きても記憶がないことの多いお父さんだったらよかったものの、もし、お母さんだったら……!


「っ、もう、反省し……」


「ごめんな?
でも、俺はできるだけ早く、親に婚約者同士だって認めてほしいから。この子は俺の奥さんになる人なんだって、周りに言いたい」


「っ……」


ずるい。


プンスカする私を慰めるように、目を細めてふわっと笑う渚に、また言葉が詰まる。


「そ、そうですか……」


「ふっ、かわいーな、むぎ」


けれど、いくらそっけなくしても、愛おしいと言わんばかりに見つめてくるから、もう降参するしかない。


「な、むぎ……」


「っ、ひゃっ……!」


「んー、やっぱ最初からこれはきつい?」


「っ、やっ、なぎ、さ……っ」


渚の上に乗っかったまま。

そっと優しく腰に手を回されて、びくりとする。


「っ、かわいい。
これだけでも結構な刺激?」


「っ、だからそう言って……」


「っ、あー……ほんっと、爆発しそう」


「ううっ、もう、放して……」


「んー、もうちょっと。
ゆっくりでいいから、体倒してみ?」


「っ、それじゃ……」


なんとか密着しないようにって、渚の顔の両側に手をついて、なんとか腕で支えてる状態。


でも……っ。


「腕、つらいだろ?」


服の上から腰に手が回ってるだけ。


なのに、いちいち震えて熱くなる体。


今まではなんとか我慢できてたけど、ぜんぶを渚に打ち明けてしまった以上、もう症状を我慢できる気がしないから。


「何度か症状の出てるむぎ見てるけど、俺は俺を好きだって思ってくれてるから、俺だからこうなってるんだって、むしろめちゃくちゃ嬉しかったよ」


「で、も……」


「かわいい声も、とけた表情も、むぎのぜんぶが俺のだから。見たいし、聞きたい」


「ううっ……」