ケータイ小説 野いちご

愛しの彼に溺愛~石油王の場合~

女だけの二次会

今何が起きた?

かすかに残る感触から無意識に額に手が行く。


「それじゃあ、結婚おめでとう。…俺は先戻るね」


そういって森さんは非常階段の扉を開け居酒屋に戻っていく。

森さんが通りやすいように反射的に横に移動する。
そのままフラフラと角へ足が進む。

あぁ…、夜風が身に染みる。

少しづつ脳が理解する。
理解すると同時に、力が抜けたように座り込む。


「…今、私キスされた…?」そう呟きながら、額を触りうずくまる。


━「ありがとう。…これは思い出に貰っておくね」
不思議と顔に熱が行く。それと同時に、アキさんを思い出し熱が急激に冷めていく。

きっと青ざめているに違いない。

・・・どうしよう。

額とはいえ不貞行為をしてしまった…!!

今まで恋愛らしい恋愛はアキさんが全て最初の私。
そんな私が人生初の不貞行為…!

どうしよう。どうしよう。どうしよう…!

素直に告げるべきなんだろうけど、伝えて関係がギクシャクするのは絶対に嫌。


「…黙っておくしかないよね。多分」


決意を固めるように呟く。
その光景を二人に見られていたとも知らずに…。

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