入学式の日がやって来た。


ちなみに見に来る家族は居ない。


結構な不良校みたいだから萎縮していたけれど、これにも早く慣れないとな。


私は一応特待生枠で入った。理由は簡単、特待生の授業料免除を狙ってのことだ。

何せ金が無いんだから仕方がない。あの人たちが学費を払ってくれるとも思わないし。


まぁそれでも、とりあえず高校には入学出来て良かった。



あとは卒業まで大人しく過ごして、普通に滞りなくここを出て職に就き安定した人生を生きるだけだな…。



そんなこんなで超適当に式をやり過ごしていた私は、式中ずっと向けられる熱っぽい視線に、一度も気付くことがなかった。