ん?

ブラインドの隙間から差し込むお日様が眩しくて、目が覚めた。
今何時だろう。
ずいぶんよく眠った気がする。

ウゥーン。
布団の中で小さく伸びをする。

すごく手触りのいいシーツ。
これってシルクかな?いつもの綿シーツとは全然違う。
綿って汗を吸うからとっても好きなんだけれど、やっぱりシルクは柔らかで優しい手触り。
すごく気持ちいい。

んん?
待って。
シルクのシーツなんて家にはない。
もちろん蓮斗の家にもなかったと思う。
それに・・・
私は目をこすってからもう一度辺りを見回した。

真っ白な壁。
大きな窓にはブラインド。
サイドボードかな、高そうな調度品。
何度見ても覚えのない風景。
ここはどこ?
まず、私のアパートではない。
こんなに広くないし、ブラインドもサイドボードもないし、そもそも我が家は1K。ベットルームなんてない。
だからと言って、別れた彼氏である蓮斗のマンションとも違う。
じゃあ・・・

落ち着け落ち着けと言い聞かせながら、私はもう一度周囲を見た。

床の上には脱ぎ捨てられた服。
ブラウスと、スカートと、ストッキングと、ブラと・・・ショーツ。
ってことは今私は、

「キャッ」
小さな悲鳴が出た。

やはり、裸だった。

でも、蓮斗と寝たわけではなさそう。
だって蓮斗は乱暴だから、彼と寝た後は必ず体が痛くなる。
相手を気遣うとかってことをする人じゃないから。
そもそももう別れたんだから、そんな関係になるはずはないんだけれど。

「あれ、起きた?」
いきなり後ろから聞こえてきた声。

ええええ。
あまりの驚きに声も出なくて、私は固まった。

「どうしたの、大丈夫?」

仕方なく後ろを振り返ると、やはり知らない男性。
でも、この顔は昨日の夜・・・