ケータイ小説 野いちご

Tear Flowers〜小説家と「愛してる」〜

黒に染まる未来

豪華なシャンデリア、美しいステンドグラス、バージンロードには色鮮やかな花が飾られ、純白のドレスとタキシードを着た花嫁と花婿が永遠の愛を誓う。それが結婚式だ。

「……素敵!」

特殊捜査チームの部屋で、シオン・アカツキが持ってきたいくつもの結婚式場のパンフレットを見つめ、レティシア・エーデルワイスが頬を赤く染める。その瞳は煌めいていた。

「何故、結婚式場のパンフレットを?」

フィオナ・カモミールが訊ねると、シオンが「悲しい事件が起こっていてな……」と暗い表情を見せた。

「悲しい事件って、もしかしてこれのことですか?」

フリージア・テイラーがスマホを見せる。そこには、「結婚が決まった」とSNSに投稿したカップルのどちらかが殺害されるという事件だった。

「結婚式を控えているのに大切な人を殺されるなんて……。あまりにも悲しい事件だね……」

レイモンド・アルストロメリアが哀れみを込めた目で記事を見つめる。記事には恋人を殺された人のインタビューまであった。

< 1/ 29 >