京極、どうか、俺のことを見ていてほしい。
俺の愛した子のことを、見ていてほしい。

清々しい春の青空。精一杯息をする大地の緑。座って組んだ足の隣で赤く燃える、輝かしい命の粒達。

寂しい俺は見守られながら、泣いていると気づかれないように、ぐっと踏ん張って腹から声を出す。



「真広? 目が覚めたか。後の二人ももう起きてるだろうな」









fin.