side 達綺


練習試合の帰り。俺は独りで帰途についていた。

見慣れない道、見慣れない街。

そりゃそうだ。練習試合は俺の住んでる所からほど遠い場所。

姉ちゃんの高校がこの辺だっけ?

今日は平日だけど、放課後を利用してバスケ部全員でここまで来た。

結果は圧勝。我ながら今日は調子がよかった。


「クッソあの女!マジ殺してやりてえ!」


……この調子なら、次の試合も優勝狙える。


「いきなり飛び蹴りかましやがって……」


そしたら──


「この俺にだぞ!?」


全国予選で……シード権を獲得して──


「ふざけんなよクソ女!!」


あー、もう……うるっせえな。

お前がふざけんな。