「……私は全力で否定するね」


それにあんな恐ろしい連中に、明らかにいい子そうな龍生が関わって欲しくなかった。


「なんでや!」

「だって、夜中に騒音かき鳴らして暴れ回る奴らでしょ?」

「違うで!雷神は無暗やたらに暴れまわったりなんかせえへん!」

「……そう?」


必死に否定する龍生。

いやいや、暴走族ってみんなそういうもんだって。

あなたは純粋すぎますよ。


「知ってるか!?ここ最近、近辺の犯罪が減ってるんのは雷神のおかげなんやで!」

「ほお……」


ほとんど適当にあいづちを打つ。

ごめん龍生、マジで興味ないわ。


「昨日だって、総長がたった1人で商店街守ったんやで!」

「ハイ!?」


ごめんなさい興味ないとか嘘です!


「き、昨日?」

「せや!なんでも暴れようとしてた荒くれ者を、総長ひとりで片したらしいで!」


待て、それ私だ!


「いやあ、ホンマかっこええ!俺、絶対雷神の一員になる!」


しかしそれを言ってしまえば夢見てたJKライフがお釈迦になってしまうので口を塞ぐ。

だが同時に私は悟った。

何があっても、絶対に龍生の雷神愛は止められない、関わらない方が自分のためかもしれないと。