ケータイ小説 野いちご

毒林檎令嬢と忠実なる従僕〜悪役はお断りなので番契約を破棄したら溺愛過剰な狼の独占欲を煽ってしまった〜

✧4✧ 第二王子との婚約はお断りします


 庭園で炎のグリフォンが暴れまわった事件から、三週間が経った頃。
 魔法による修復が終わり、すっかり綺麗になった庭園内のテーブルセットでお父様とお茶をしていたら、お父様が「そういえば、お前に手紙が届いていた」と真っ白な封筒を手渡してきた。

「えっ。お手紙ですか?」

 まさか社交界ぼっちな私宛にお手紙がくるなんて。
 この世界で生まれて初めての同世代からのお手紙に、訝しんだ私はまず封蝋の紋章を確認したが、見覚えがなく首をかしげる。

 とりあえず読んでみるか、と便箋を広げると花の香りがした。雅だ。すんすん、この香りは……林檎の花!
 どうやら私が林檎好きなことに配慮してくれているらしい。ここまでしてくれるということは、毒林檎令嬢なんて異名を恐れていないという意味になる。
 えっ、ますます誰?

 差出人の名前はないが、お父様が直接手渡してくれたので貴族の子供なのだろう。

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