家までの道のりは足が重かった。


一度帰宅してしまえばもう好きに外出することはできない。


近所のコンビニ、ううん、すぐ近くにある自販機まで行くのにも父親の了承を取らなくてはならないのだ。


そしてたいていその了承が降りることはなかった。


ジュースなんて飲まなくていい。


お菓子なんて食べなくていい。


そんなものは用意してあるだろう。


どうしてそれじゃダメなんだ。


そんなダメだしが直接頭の中に聞こえてきた気がしてクルミは歩道脇にしゃがみこんでしまった。


しゃがみこんだ道路には汚い100ライターが落ちている。