翌日早朝。

王都の騎士団のメンバーと団長と私は、砦から王都へと続く門の前に集まっていた。

そこには、朝も早いというのに何人もの住人と辺境騎士団の面々が集まっていた。

「まだまだ、やることも沢山あるから大変だと思うのに。ゆっくり休んでくれててよかったんだよ?」

私の目の前に立ったジェラルドに言うと、彼は首をブンブンと横に振って答えた。

「この辺境の地で我々を助けて下さった、黒の乙女の出立の無事を祈り見送らねば、精霊王からバチが当たります。わりと本気で当たるので、このお見送りは必須です!」

そんなジェラルドの言葉に王国騎士団の面々も、辺境騎士団の面々も、更には見送りに来てくれた住人達も、みんな一様に頷いているので、そうなの? と思っていると、サリーンとアリーンも頷いていたので、そういうものなのだと納得した。

「ユウは、相手を思いやれる優しいやつだからな。こんな盛大に見送られるのも大丈夫か不安になったんだろ? 大丈夫だ。ここでは、これが普通だからな」

私の不安をしっかり捉えて、頭をグイグイと撫でながら言うのは隣にいたクリストフさん。

「クリストフさん、グイグイちょっと痛いよ! 加減しないと、子ども達に嫌われちゃうよ!」


思わず突っ込んでしまった。

クリストフさんの我が子たちの扱いに、一抹の不安を感じて……。


「そうか? うちの子達は喜ぶんだがな?」


そうか、もう慣れてればこの力強い撫で? で喜ぶんだね。

パパが強いと子ども達も強いのかもしれないなと思った。