「依織……くん……」

呆然とする私に微笑みかける彼。

ベッドに寝かされていた私はザーッと血の気が引くのがわかって、気だるさに引っ張られながらもなんとか体を起こした。

逃げなきゃ……いますぐ!

そう頭では分かっているのに、体は言うことを聞かない。

彼に慣らされた体は、簡単に逃げられないと分かっているからこそ、逃げるのを拒む。

ーギシッ。

っ……!!

そっとベッドに腰掛けながら、依織くんは私の方へゆっくりと手を伸ばした。

ービクッ。

そっと頬に添えられた大きな手。

「恋々愛……会いたかった」

そう言って優しく細められるアーモンドアイ。