私はふらふらと教壇の方へ近づき、黒板消しを手に取った。

黒板の文字を消しながら頭の中で考えることは、日誌の続きに何を書くか……。

んー……テストも終わったし、なにか行事って──────────

……あ。


『文化祭』


未だに優羅くんの口から文化祭について聞かされてないけど、動き始めてるのかな?

クラスの催し物は来週決めるって藤崎先生は言ってたけど……。

ボーッとそんな事を考えながら、私はそっと黒板消しを置き、席へ戻ろうと振り返った。

……その時。

ーコンっ。



物音がして振り返れば、置いたはずの黒板消しが教壇に落ちていた。