私は足の疲弊すら忘れて、再びバス停まで急いだ。

ま、間に合え……!!

バス停に着いたバスはゆっくりと停車し、ぞろぞろと人が乗り始める。

そんな中、風磨くんは体や服を触っていま財布がないことに気づいた様子で。

「風磨くん!」

「え? ……恋々愛ちゃん!?」

やっとの思いで風磨くんの元までたどり着けた私は、息も絶え絶えに風磨くんに財布を差し出した。

「あっ、俺の財布!」

風磨くんが財布を受け取ったと同時に、体を起こして息を整える私。

よかった……これでいち早く病院に行ける。

風磨くんは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに優しい笑みを浮かべて。

「恋々愛ちゃん、ありが──────────」