* * *

それから手早く身支度を済ませた私は、雅さんと朝食が準備されている広間へ向かった。

廊下を歩いているとメイドさん、執事さんがすれ違う度に立ち止まって優雅に会釈をしてくれて。

やっぱりお金持ちは違うな……。

私の日常とは縁遠い生活だ。

「あ! 恋々愛ちゃん! おはよー!」

広間に入るなり、私を見つけた林山くんは満面の笑みで大きく手を振る。

みんなもう来てたんだ。

広間には生徒会のみんなと梅乃くんのお姉さん、そして女の人が二人、すでに席に座って待っていた。

私が思うに、その二人の女性はきっと梅乃くんと雅さんのお母さん……。

上手の席はどちらも空席で、梅乃くんのお母さんらしき人、梅乃くん、梓川くん、梅乃くんのお姉さんと並んでいる。