いや、私が何を言ったところで、きっと納得するまで離れてはくれない。

私を囲む女子たちは何も言わない私に痺れを切らしたのか、キャッキャと笑っていた顔も鬼の形相に変貌していた。

……怖い。

「ずっと黙ってやり過ごそうって思ってるわけ?」

さっきから一番私を質問攻めしてくる金髪の女の子。

ストレートの真っ直ぐな金髪に、メイクもバッチリしているから眼力がすごい。

「早く白状しちゃいなって」

「そーだよ。涼華(りょうか)を怒らせるとヤバいんだから」

涼華と呼ばれた金髪女子の周りの女の子たちは、私に敵意剥き出しな彼女の姿を見て面白そうにケラケラ笑っている。

こんなの全然楽しくも面白くもないよ……。

金髪女子の胸元には『城本(しろもと)』という刺繍。