エミの母親にお願いすると、すんなりとエミの部屋に入れてもらうことができた。


部屋の中は生前のまま残されているようで、机の上には読みかけの漫画。


布団は朝起きたときの、くしゃくしゃの状態だった。


「ここでどうするの?」


怜美は小声で猫田さんへ訪ねる。


猫田さんはうなづき、エミへ向き直った。


「エミさん。エミさんと両親しか知らないことを教えてください」


「え?」


エミは涙で赤くなった目を猫田さんへ向ける。


「まずは、ここにエミさんがいると信じてもらう必要がありますから。悪い点数のテストの隠し場所とかでもいいですが?」


だから猫田さんはエミの部屋に移動しろと言っていたようだ。


ここにはエミの秘密が沢山隠されているはずだから。


エミは自分の部屋の中を見回してそれから怜美を見た。


怜美はうなづいてエミに近づく。


「クローゼット天井に屋根裏へ続くスペースがあるの。そこに秘密の日記を隠してある」


怜美は言われたとおりクローゼットをあげて天井を見上げて見た。


そこには四角く切り抜かれたような跡があった。


「これ、天井裏を確認してもいいですか?」


「え?」


「この上に秘密の日記を隠したとエミさんが言っています」


怜美の言葉に母親は目を見開いた。