「保護された動物たちの行く末が気になっています」


猫田さんの話はそう始まった。


「保護団体は飼い主を探してくれます。でも、飼い主が見つからない子たちはどうなるんでしょうか?」


「それは、保護団体に育てられるんじゃ?」


「そういう子もいるでしょう。ですが人に慣れていない動物たちはそこから逃げ出してしまうこともある。そうすると、保健所へつれていかれることになるかもしれない」


保健所という言葉に怜美の心臓がドクンッとはねた。


野良犬や野良猫は保健所へ連れていかれ、そこでも飼い主を見つけることができなければ……殺処分される。


更に保健所から犬猫を貰い受けるためには沢山の条件をクリアしないといけない。


飼い主になる人の年齢だって関係してくる。


外にいる犬猫の運命は過酷だ。


「それが、気になっていることです。少しでもそういう動物が減ればいいと思っています」


猫田さんの話に怜美はうつむいた。


そんなの、自分でどうにかできることだろうか?


殺処分の件数を減らすなんてこと。


自信が失われていきそうなとき、雪ちゃんと2人で警察官に声をかけたときのことを思い出した。


そうだ!


自分ひとりで不安なら、もっと仲間を集めればいいんだ!


「わかった! 私、どうにかしてみる!」


怜美はある閃きを持って、大きくうなづいたのだった。