数ヶ月後。うちらは、2年生になった。初めて、中学校で後輩ができ、全体的にワクワクしていた。
「おはよー。苺愛。」
「おはよー。やっとクラス替えだね。瑠花と同じクラスかな?」
「ね、同じがいいね。あと担任もいい人で!」
「あ、それ大事だ!」
うちの希望は、瑠花と同じクラスで、いい担任。ただそれだけ。しかしこの時、うちはある人の存在を忘れていた。雨種のことだ。もちろん、雨種とは同じクラスになりたくないが、雨種のことをすっかり忘れてしまっていた。
 いよいよ、ドアが開く。
「早く、瑠花。見にいくよー!」
「ちょっと待ってよ、苺愛ー。」
まずは1組。担任ベテランのめちゃくちゃいい担任。しかし2人の名前はなし。次、2組。担任は、誰か分からん。2人の名前なし。お?ということは?2人とも3組か!最後は3組。担任は知らないが、2人の名前はあった。
「やったー!一緒じゃん。」
「これで、小学校の時から数えたら、3年連続の4回目の同じクラスだね。やったー!」
うちらは、荷物を机の上に置いて、靴箱に靴をなおして、教室に戻った。他に3組誰がいるかなーって思った。その時だった。
「えっ…嘘だろ?」
この声を聞いて、久しぶりに全身に鳥肌が走った。この声、どっかで聞いたような。振り返ると、机に鞄を置いて驚いている、雨種の姿があった。
「えっとー、一つ聞いていい?お前…もしかして3組?」
「うん…そーだけど。」
嫌な予感しかしない。
「えっ、待って!俺も3組なんだけど?あーもう、終わった。」
「えー、なんで?もう最悪。」
「ていうか俺、なんでこんなに運ないんだろ。小学校て一緒だった奴、全員1組で俺だけ3組。なのに、お前と同じクラスだったとは…。」
「なんで3組に雨種がいるの?意味わかんない。」
「それはこっちのセリフだ!」
「あーもう、うちの青春は、終わったね。」
一緒だったのはそれだけじゃない。
 昼休みが終わって、掃除時間。うちの掃除場所は、体育館。選んだ理由は、まぁ、モップ持って歩くだけで終わるから、楽そうだったからということ。行った先には、またもや雨種。うち、どんだけ雨種に呪われてんねん! 体育館掃除は、それぞれ2人ペアを作って、フロア・ステージ・サイドに分かれて1日おきで、ローテーションしていくことになった。しかし、楽なところを選んだせいか女子は2人しか居ない。それも大嫌いな元親友、心葉。本当は別の男子と組みたかったんだけど、「一緒にペア組もう!」って無理やりペアにさせられたから、仕方なくその子となった。雨種は、もちろん別の男の子とだ。まぁ、雨種とはなりたくないけど、まさか、心葉となるとは…。ちなみにうちが心葉のことを嫌っているだけで、心葉は、うちが嫌っていることを知らない。
 さらに、うちは、小学生の時から塾に通っていたのだが、その塾に雨種もいる。ちなみに雨種は、中1の時から習っているらしい。なんでそこまで一緒になる必要があるの?もう、どこに行ってもいるやん。
 うちの中2の青春大丈夫そう?