「ほんとに迎えにいったんだ、その子のこと」



魔王と一緒に家に戻ると、ソファに座っていた呉葉さんが私を険しい顔で睨みつけた。



「せっかく追い出したのに」



「…やっぱりお前のせいかよ」




魔王が低い声を出す。




「呉葉。お前、いつまでここいる気?つーか、前から聞こうと思ってたけど一体何が目的だ」


「目的ってなんのこと?」


「とぼけんな。

もう1年以上連絡すら取ってなかったのに、急に婚約者なんて言って俺の前に現れたのは、…誰かに、なんか言われたんじゃねーの」





呉葉さんがフッと妖しい笑みを浮かべた。





「誰かって?」



「んなの一人しかいねーよ。俺の親父だろ」





魔王の、お父さん…!?