「り~の~!今日バイトないって言ってたよね?帰りG〇行かないっ?」



放課後、カバンを持った佑奈が私の席までやってきた。



「G〇?」


「うんっ、インス〇で安くてめっちゃかわいいスカート見つけたんだよね~!それ買いたい!」




G〇……




「…なんか佑奈と話してるとすっごく安心する」


「え、そお?」


「うん。やっぱり服は安くてナンボ!!だよね!?」


「はぁ?急にどした?」





佑奈は不思議そうに眉をひそめたけど、すぐにニッコリ笑顔になると。




「うわっ!?」




ガシッと私の肩に腕をまわして、耳元で囁いた。




「ただし、買い物の前にお茶ね?“魔王が下の名前呼び事件”について詳し~く聞かせてもらうから!」




魔王の下の名前呼び事件、って、あの自販機の…。




「…えーと、そ、それは…ですね?」



「よしっじゃあ決まりね!どこでお茶るー?」




ちょっまだ行くって言ってないのに!




佑奈に腕をまわされたまま、教室から出ようとした時だった。






「あら、お帰り?」