「ねえ、何これ?」



朝。



太陽の光がさんさんと降り注ぐリビングで、尖った声を出すのは呉葉さん。





「私、フレンチトーストが食べたいんだけど。こんなただ焼いただけのトーストじゃなくて」


「ご、ごめんなさい。でも私、フレンチトーストって作ったことなくて。今からはじめると時間が…」


「じゃあどっかで買ってきてよ。お金はあげるから」


「ええっ!?えっと」






「いい加減にしろよ呉葉」




ドンッ、と、魔王が飲んでいたいちごミルクのパックを勢いよく机に置いた。




「嫌なら食うな」


「はぁ…?何それ。暁こそ、朝からそれ何本目?ガキすぎ」




机の片隅にきちんと並べられている空のパックを見て、呉葉さんが嘲笑する。




「うるせえな!ほっとけ!!!」



「ガキの頃から好み変わらなすぎ。いまだにそれしか飲めないわけ?」



「黙れって!」





同居生活1日目の朝は、とても賑やか。