「はぁ……………………、うめぇ」




たっ…ぷり時間をかけて、じっ…くりいちごミルクを堪能した魔王が、恍惚とした表情で呟いた。



「それは何よりです。あ、ストック切れそうだったんで、今日20本くらい補充しておきますね!」


「おお、サンキュ」


「それと、これ今日のお弁当です!」


「ありがとな」




いつも通り、魔王に朝作ったばかりのお弁当を手渡す。




「それにしても、特別棟にはあんなに豪華なカフェテリアがあるんだし、私のお弁当なんて無理して食べなくてもいいんですよ?」



「はぁ?何言ってんのお前」





丁寧に“ごちそうさま”と手を合わせていた魔王が、ギロリ、とその鋭すぎる三白眼を私に向けた。




「前も言ったけど、お前の料理のが普通にうまいだろ」



「えっ…あ、そ、そう言ってもらえるのはすっごく嬉しいといいますか身に余る光栄といいますか余りすぎといいますか…」



「行ってくるな、にゃにゃ丸~♡」





椅子から立ち上がった魔王がその大きな手でワシャワシャとにゃにゃ丸の頭を撫でる。



ニャ~と幸せそうに鳴くにゃにゃ丸に、それ以上の幸せなそうな表情を向ける魔王。とろけるチーズもびっくりなとろけ顔である。




「てか、今日はずいぶん早いですね?学校行くの」



「おー。龍太郎に呼び出されてんだよ」




だが玄関の“魔王武装コーナー”でゴツゴツジャラジャラアクセを装着する魔王は、いつもの険しい表情に戻っていた。