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あるぅ日♪ハワード家の中♪
バッカスに♪出会あた♪

無駄に♪でかい廊下でぇ♪

バッカスに♪出会あた〜♪


頭の中で森のくまさんの替え歌、ハワード家のバッカスが流れる。

そう今まさに目の前で起きていることを私は頭の中で即興で替え歌にしていた。

学院もバイトもない週一の休日。
昼食の時間だった為、食堂に座りに行った帰り道。ハワード家の廊下でバッカスが蹲っていた。


何事。


「どうしたの?バッカス」


さっきまで元気に昼食食べてたじゃん。

ただならぬ様子のバッカスが心配で思わず声をかける。


「…その声は咲良か。…動けないんだ」


するとバッカスはこちらを向くことなく辛そうにそう言った。