「あったま痛い。」

私は自分の部屋でそう呟いた。 どうしたんだろう?昨日、はしゃぎ過ぎたのかな…。

私は着替えて、共同のリビングに行った。
すると、いつものように翔太くんがエプロンを付けてキッチンに立っていた。

「みーちゃん、おはよう〜。」

「おはよう、翔太くん。
ねぇねぇ、頭痛の薬ある?」

「頭痛?
みーちゃん頭痛いの?」


翔太くんが、薬と体温計をもって私の所にやって来た。

「熱、測ってみて。」

「大袈裟だよ。
熱は流石にないよ。」

「いいから。
雨の中、昨日走ったんでしょ?」


翔太くんは、本気で私を心配してくれている。
熱はないと思うんだけどな……。
熱を測る。

「熱、あるじゃん。
38.5度、意外とあるね〜。
今日は部屋で、ちゃんと休まないと。
看病するから部屋行くよ。」

「えっ?わぁっ!」

翔太くんは、いきなり私をお姫様抱っこをして部屋に連れて行こうとする。
はぁ、推しにお姫様抱っこか…。
私、幸せだな〜。
じゃない!!!
部屋に、翔太くんが入るって事はグッズ見られる?
だけど、グッズ棚にカーテンみたいなの付けて見えなくしてるから大丈夫かな〜?
いや、無理無理。
昨日、ライブの後に真希と語り合うのにグッズ5個位出してるんだけど!
ヤバい!!

「翔太くん、待って!!」

ガチャ

終わった……。

翔太くんがベッドの方を見る。
ベッドの、近くにはグッズ棚があり、棚の上には
翔太くんのグッズが………。

「えっ!
みーちゃんこれ…。」

「こっこれは…」

もう誤魔化せないよね。
ここでホントのこと言おう!

「実は…「僕の事知ろうとしてくれてるんだね!」

私が、真実を言おうとした瞬間、翔太くんが想定外のことを言った。

翔太くんが天然で良かった〜。

翔太くんが私をベッドに寝転ばせてくれる。

「みーちゃん、ありがとね。
僕の事に興味持ってくれて、嬉しいよ。
僕の一方通行かと、思ってた。
僕はみーちゃんに興味持ってるのに、みーちゃんは僕に興味持ってくれてないかと思ってた。」

翔太くんはそう言うとよく、ライブの時にするポーズをしてくれた。

かわいい!!!


「そんなことないよ。」

「みーちゃん、待っててね。
ご飯持ってくるから。」



翔太くんとの仲が深まった気がした。